私が立憲民主党に入党した理由
私は立憲民主党の党員です。
別に隠している訳ではありませんが、生長の家信徒の皆様には特に何も言っていなかったので、もしかしたら私の日頃の言動と比べて混乱される方がいるかもしれません。
なので今回、改めて私が立憲民主党に入党した理由を御教えに基づいて説明させていただきます。
ご存知の通り、生長の家は教団としてはどの政党も支持していません。
しかし、それは信徒に「どの政党も支持するな!」という意味のものでは、無いはずです。
むしろ、信者の一人一人が自身の信仰に従い、自己内在の神性・仏性に従って支持政党を決めてほしい、と言うものであると考えます。
私は「自分は行動せずに文句を言うだけ」の人間にはなりたくありません。そもそも、そのような態度は光明思想に反するものです。
なので、私は政党の構成員となって、微力ながらも日本国実相顕現のために行動していきたいと考えました。
生長の家は、これまでの声明でいくつかの政策を示しています。
1.地球環境問題の解決
2.「戦争参加法制」への反対
3.原発再稼働への反対
4.スーパーシティ構想への反対
5.『日本国憲法』第9条改正への反対
この5つの観点に適う政党で、且つ、全国レベルに組織と候補者が確りしている政党は、立憲民主党と日本共産党しかありません。
それに加えて、『”新しい文明”を築こう』には「天皇の恩、国の恩に感謝しなさい」という文章もあります。
日本共産党は将来的な民主共和制への移行を目指している政党ですが、立憲民主党は毎年皇居清掃奉仕団と一緒に靖国神社へ参拝している重徳和彦先生も所属されています。
以上の事情を総合的に考慮し、立憲民主党へと入党するのがもっとも日本国実相顕現のために私が活動しやすい環境を築くことができると、判断させていただきました。
私が立憲民主党に入党した理由についてはこれでご理解いただけたと思いますが、私が判断材料の中に『日本国憲法』第9条改正の反対を含めていることについては、一部から批判があるかも知れません。
まず、私が『日本国憲法』第9条改正に反対する教団の方針を支持する理由については過去に別のブログで触れていますので、再掲させていただきます。
2.九条改憲に反対する
α 谷口雅春先生の「9条改正」に対する立場
過去に生長の家は9条改正に賛成する活動をしていたことはありますが、一方で雅春先生は「第九条のみを改正しようというような部分改正では、却って日本は米軍事体制の餌食になる」という三島烈士の言葉を引用した上で、「第九条の戦力放棄条項のみの改正では、国家百年の大計を誤ることになるのであります」と述べられています。
つまり、憲法9条を単に改正するのではなく、その結果何が起こるかも考えた上で、憲法改正論議を行わなくてはならないのです。
戦争参加法制のように、日本を守るための法律と思いきやアメリカの侵略戦争に協力し「米軍事体制の餌食になる」ような法律を制定するために憲法を改正するのであれば、谷口雅春先生がご存命ならば「国家百年の大計を誤ることになる」と言われたことでしょう。
しかし、「第九条の戦力放棄条項のみの改正」がダメならば憲法を全面的に改正すれば良いのではないか?という方もおられるかもしれません。
確かに、現総裁・谷口雅宣先生も「きちんとした議論や手続きを経て、戦前のような軍部の暴走を止める仕組みを作るのであれば、自衛隊を軍隊として認めることもあり」と言われています。
谷口雅宣先生がどうして安倍政権による9条改正に反対するのかは、『SAPIO』のインタビューで次のように述べられています。
「現在の政権が行おうとしていることは『アメリカに言われたから地球の裏側にも自衛隊を派遣します』といった話です。」
つまり、まさに谷口雅春先生が危惧した通りの改憲を行おうとしているからこそ、谷口雅宣先生は今の安倍政権の方針に反対しているのです。
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この記事を書いた後、私の考えも変化しました。それは2019年、インドで佐々井秀嶺上人(元インド政府少数者委員会仏教徒代表)の下で修行させていただいた経験からです。
当時のインドは(今もですが)パキスタンや中国との臨戦態勢下にありました。
臨戦態勢下と言うよりも、戦時下と言った方が良いかもしれません。私がインドにいる間、国境地帯では空爆で死者が出ていましたし、インド国内にある数千のモスクが政府の圧力で閉鎖されました。
各地の空港ではライフルを持った兵士が厳戒態勢に当たり、私も入国早々ライフルを持った兵士に囲まれるという体験をしました。これ自体はインドの治安レベルもある話ですが、現地の人に聞いても、パキスタンとの対立が警戒強化につながっているようです。
宗教によるヘイトクライムの激しいインドでは、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の間で相互にテロや小競り合いも珍しくありません。(仏教徒とヒンドゥー教徒の間で死者が出ることもあるほどです。)
一般に「インドのイスラム教徒の数は13%」と言われていますが、これは嘘です。インドの宗教に関する統計は信用できません。それは私が実際にインドの、それも下層民の人たちと暮らして実感しました。
実際には、少なくとも、インドのイスラム教徒は約3割はいるはずです。インドでは下位カースト階級やカーストに含まれない「階級外階層」のダリットの人たちの中に、イスラム教や仏教を信仰している人が多いのですが、彼らの多くはヒンドゥー教のカースト社会を維持するために、その信仰を「無かったこと」にされます。さらに一部の州では『改宗禁止法』まで制定されており「隠れムスリム」や「隠れ仏教徒」が少なくありません。
このように、インドでは「国家」よりも「宗教」や「カースト」がしばしば優先されます。そのため、同じ国民同士でも政治の場では激しく争いますし、場合によって文字通り命まで奪われるのです。
そんなインドですが、ヒンドゥー教徒もイスラム教徒も、日本人である私には好意的でした。
私は最初、「日本人がお金を持っているからか?」と思っていましたが、直ぐにそれは違うと知りました。
インドにお金を落としているだけならば、中国もそうですが、中国はインド人に嫌われています。またそもそもインドは、イギリスの経済侵略が植民地化につながった経緯から、海外資本の流入に否定的な国です。
中国とインドの間には領土問題があるから仕方ないにしても、アメリカも嫌われています。インドでは一時期は「コカ・コーラ」の販売が禁止されていたほど、反米勢力が強いのです。(と言いながら、実際にはインド人はコカ・コーラが好きなので今では解禁されていますが。)
それではどうして日本が嫌われていないのか。その理由の一つは、チャンドラ・ボースらを日本が支援したこともあるでしょう。(チャンドラ・ボースの話は多くのインド人が知っています。)
また、日本山妙法寺や霊友会がインドに仏教を弘めたこと、佐々井秀嶺上人のようにインドに帰化した日本人がいたことも、インド人の親日感情に貢献しているはずです。
しかしながら、何よりも、日本の自衛隊が未だかつて外国人を殺していないこと、それが大きいのではないでしょうか?
よく「憲法9条では国を守れない!」と言う人がいますが、私はむしろ「『日本国憲法』第9条が日本人を守っている」面は大きいと感じます。
無論、世界の多くの人は『日本国憲法』第9条の存在などは知らないでしょう。しかし「日本の軍隊は自分たちの同胞を殺していない」という事実は、親日感情に大きく貢献しているはずです。
後藤健二さんが「ダーイシュ」政府(自称「イスラム国」)に殺されたとき、日本のマスコミは「ISを許すな!」の大合唱でした。しかし、もしも日本がアメリカの侵略戦争に参加すると、何十人、何百人もの人を殺してしまうかもしれません。そうすると、殺された側は「日本を許すな!」の大合唱になるはずです。
私がインドにいた時、一番恐れていたのが、安倍首相が自衛隊をアメリカの指示で中東に派遣して、そこで自衛官が現地のムスリムを殺してしまうことです。
その瞬間、イスラム教徒の間での日本への親近感は、一気に消えます。特に現にイスラム教徒によるテロが頻発しているインドでは、文字通り命が危なくなるでしょう。