生長の家は一瞬一秒たりとも日本会議と組んではいません!
現在、ネット上では「生長の家が日本会議の母体である」とか、挙句の果てには「生長の家は今でも日本会議と組んでいる」かのようなデマを流す方がいます。
しかし、生長の家は現在日本会議を支持していないのは勿論のこと、過去に一秒たりとも生長の家が日本会議に属していたことは無いと言う事実は強調させていただきたいです。
日本会議が出来たのは1997年、私が生まれた年です。
この日本会議は日本を守る会と日本を守る国民会議と言う二つの団体が合併してできました。
生長の家は日本会議結成の10年以上前である1985年にこの両団体と訣別しています。
さらに言うと、これはあまり表になっていないことですが(とは言え、今では向こう側から言及されていますが)、自主憲法制定国民会議(岸信介が設立)とはそのさらに以前の1974年ごろから訣別しています。
時系列を追って説明します。
まず自民党が結党された時、生長の家総裁の谷口雅春先生と自民党総裁の鳩山一郎先生は親しかったと言う事実があります。
しかしながら、現在存命の鳩山一族である鳩山由紀夫氏と鳩山太郎氏が自民党から離党していることでも判るように、当時の自民党と今の自民党とは全く異なる団体です。谷口雅春先生自身、鳩山一郎先生の共産主義者とも和解する精神を称賛していたことは以前このブログに書きました。
snitennoukokunippon.hatenadiary.com
生長の家は社会党委員長であった浅沼稲次郎先生も信者で、当初は組織的にどこかの政党を支持している訳ではありませんでした。ただ、保守派の宗教と言うことで共産党には否定的ではありました。
生長の家は生命尊重を訴えて「優生思想」と「堕胎推奨」を二本柱とする『優生保護法』の廃止を求めていましたが、生命軽視の医療利権複合体に支配された政界は中々動きません。
そこで1964年に生長の家政治連合を結成、1970年には日本青年協議会も結成し、これらの外郭団体主導で選挙運動を行いました。生長の家政治連合は自民党内に組織内候補を出すなど当時は自民党の支持団体であったのは事実ですが、但し、これについては伝統宗教・新興宗教を問わず多くの宗教団体が自民党を支持していた時代であったと言う時代背景は無視できません。
1969年には岸信介会長の自主憲法制定国民会議にも参画しましたが、1974年頃には脱退しています。但し、これは当時公式にアナウンスされた訳では無かったのでそのことを知らない人がいるのは止むを得ませんが、今では自主憲法制定国民会議の会長が生長の家との絶縁を誇らしげに語っており、現時点では完全に生長の家と対立している団体であると言えるでしょう。
その後1974年の日本を守る会結成、1981年の日本を守る国民会議結成に生長の家は関与しましたが、これらの団体は生長の家以外の団体も加盟しており生長の家と必ずしも意見が一致する訳ではありませんでした。
そして1983年、自民党が『優生保護法』廃止に消極的なのを見て、生長の家は生命尊重の立場からこれ以上優生思想を擁護する自民党は支持できないと判断し、生長の家政治連合の活動停止と自民党候補への推薦廃止を決断しました。
1985年には日本を守る会と日本を守る国民会議の両団体とも絶縁します。が、この時に生長の家を裏切ったのが日本青年協議会です。
1993年に自民党は分裂し、「保守政党=自民党」と言う構図が崩れ自民党から距離を置く宗教団体が続出しました。そうした流れの中、生長の家も1995年に公式に生長の家政治連合を解散しました。
ところが、1997年にかつて生長の家を裏切った日本青年協議会が本部事務局を担う形で日本を守る会と日本を守る国民会議が統合、日本会議が発足されてしまったのです。
生長の家が両団体と絶縁してから10年以上の月日が流れていました。言うまでもなく、この時点での日本会議結成は生長の家とは無関係です。
しかし、生長の家は「天地一切のものに感謝せよ」が教えですので、生長の家の方から殊更に日本会議と対立する気はありませんでした。
が、なんと日本会議側は生長の家が自分たちを支持しないことを逆恨みして、悪質な分断工作を仕掛けてきたのです。そして「生長の家は左傾化した!」等と言うデマを積極的に流すようになりました。
2002年、生長の家系の教育団体である新教育者連盟が規約改正を強行して生長の家の指導を受けない姿勢を見せました。これを受けて新教育者連盟の全支部長の8割以上を占めた生長の家側の支部長が抗議の辞任をしました。私の母も当時新教育者連盟の会員でしたが、生長の家の信者として新教育者連盟から脱退したことを、当時の私はまだ幼稚園にも入る前でしたが、鮮明に覚えています。
同年、自称「谷口雅春先生を学ぶ会」なる別派が出来ました。その機関紙の編集長である百地章氏は日本会議の活動家であり、日本会議側による生長の家信徒の引き抜き工作であることでは明白でした。
学ぶ会は生長の家総裁を公式サイトで「赤き龍」と呼ぶなど、尋常ではない言動を行っています。
2006年、谷口雅春先生の主要な聖典・聖経の著作権を握っていた生長の家社会事業団の理事の役員改選が行われ、なんと日本会議側が多数となり生長の家側は少数派となりました。
その後、社会事業団は生長の家に対して谷口雅春先生の聖典・聖経の出版を止めることを要求して裁判を起こし、2012年に社会事業団が勝訴して生長の家は谷口雅春先生の主要な聖典・聖経を出版できない事態に追い込まれました。
まさにその2012年、日本会議の支援を受けている安倍晋三氏が内閣総理大臣に返り咲きました。安倍内閣にはかつて生長の家を裏切った日本青年協議会が思想的な影響を与えているとの指摘もありました。
そして安倍内閣は①立憲主義の破壊、②軍拡路線の推進、③スーパーシティ構想の推進、④原発推進、⑤気候変動対策に消極的、等まさに生長の家の御教えと正反対の政策を次々と実行していきました。
これを受けて2016年、生長の家は遂に公式に自民党と公明党、おおさか維新の会(現・日本維新の会)等への不支持を公式に表明しました。この表明はマスコミでも報道されたので、きちんとファクトチェックをしていれば生長の家が反自民であることは判るはずです。
また、2016年の声明は唐突に行われたものでは無く、こうした約40年近い経緯の基に出されたものであり、「2016年以前は生長の家は日本会議と組んでいた」と言うような誤解も一部ではありますが、そうではありません。
生長の家は日本会議が結成された頃には既に彼らと訣別していたのであり、それから日本会議が大人しくしていれば生長の家も黙っていたものの、生長の家に対して裁判闘争を含む敵対的な行動を繰り返した上に安倍政権に入り込んで日本の行く末を危うくしたからこその、2016年の声明なのです。
お薦めの書籍
立憲民主主義が学べる本
生長の家が支持する立憲民主主義とは何か、立憲民主主義とはどういう思想なのか、が学べる本です。
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生長の家発行・谷口雅宣先生監修の立憲主義の必要性を訴えたブックレットです。現在の岸田政権にも受け継がれている安倍政治の根本的な問題が記されています。
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生長の家が自民党不支持に至った経緯について説明しているブックレットです。生長の家信徒のみならず、生長の家と政治とのかかわりについて知りたい方にとっても必読です。
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生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生の推薦図書です。国家神道体制の問題点と現代への教訓が記されています。
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ブックレットの参考文献にもなっている立憲主義の解説書です。著者の佐藤幸治先生は自衛隊合憲論を唱えるなど左翼的な宮澤憲法学とは一線を画す一方、自民党による立憲主義軽視に反対している気骨ある憲法学者です。
谷口雅宣先生のご著書
生長の家総裁・谷口雅宣先生のご著書です。
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生長の家の御教えについて判りやすく解説している入門書です。
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地球環境問題や生命倫理問題について、今世紀初頭から警鐘を鳴らしている本です。菜食を推奨する理由やES細胞(胚性幹細胞)等に反対する理由が判りやすく述べられています。
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今世紀初頭に谷口雅宣先生が発表された生命倫理問題に関する論文集です。堕胎や優生思想の問題点に振られている他、今話題になっている人クローン胚や安倍政権が推進した動物性集合胚についてもいち早く警鐘を鳴らしていました。
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谷口雅春先生のご著書
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私たちが繫栄して生きるためにはどうしたらいいのか、信仰を実践して生きるための方法が記された本です。
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谷口雅春先生と佐藤勝身先生による『妙法蓮華経』の解釈です。生長の家と創価学会の教えの違いも明確に触れられています。創価学会の支持する公明党が自民党と連立を組んでいる今こそ、読まれるべき本です。
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どうして生長の家ではノーミート(菜食)を推奨するのか、について谷口雅春先生が判りやすく説明されています。生長の家信徒で無い方にも判りやすい一冊です。
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生長の家の生活について記された一冊。谷口雅春先生ご一家の話も触れられており、信徒が読むと感動すること、必至です。
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生長の家における「愛国」とはどういうことなのか?この本を読むと生長の家が言う愛国の教えと今の自民党・日本会議が展開している路線とが全く異なることに気付くと思います。
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「軍国日本は本来無き国であるから亡びたのである!」――終戦直後に住吉大神から大聖師・谷口雅春先生に下った神示と、それについての谷口雅春先生ご自身による解説です。
楠本加美野先生の本
生長の家長老である故・楠本加美野先生のご著書です。
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生長の家での流産児供養の体験談や生命尊重運動の必要性について述べられている本です。
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「親孝行の神様」と言われた楠本加美野の体験が記された本です。
野沢幸平先生の本
生長の家教職員会会長・奥羽大学教授等を歴任された野沢幸平先生のご著書です。
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従来あまり注目されていなかった菌類を含む生態系の調和について記されています。