生長の家正統派青年のブログ

生長の家青年会一信徒の個人のブログです。正統な宗教法人「生長の家」は1983年に自民党と訣別し、2016年以降は全ての国政選挙で自民党不支持を訴えています。ブログ記事の文責は教団ではなく私個人にあります。

家長の性別について取り急ぎ

 某掲示板でまた男系・女系論争が再燃している。この問題については私は鵺的な反応しかできないが、それは陛下の大御心についてあるルートで一定程度の確信はあるものの、最終的なことについてはまだ不明な点があるからである。

 現時点で言えることは「敬宮殿下の即位に反対している方は、いざ即位されるとどうするのですか?」ということだ。

 よく「男系男子の皇統を維持するために宮家があった」という意見があるが、同じ男系でも「直系女子」と「傍系男子」とではどちらが優先されるかは過去の先例も見てもケースバイケースである。

 孝謙天皇明正天皇の例は、傍系男子が存在したにもかかわらず直系女子が選ばれた例である。

 所功先生の論文「皇位継承の在り方に関する管見」に従うと、天皇が実子に継承させる狭義の直系継承が約54%で、兄弟姉妹継承を含めると約76%となる。傍系継承は約24%であるが、それについても私の知る限りにおいては多くの場合天皇又は上皇の養子となっていたはずである。

 それはともかくとして、どうも谷口雅春先生の著書『女の浄土』から引いて「家庭も、家長である父又は良人がその家庭から姿を消すと、従来の安泰平和な状態を失って、家族が四分五裂してしまう。」と言う文章を論拠に女系天皇反対を言われる方がいるらしい。

 要は、この文章を「家長は父又は良人でなければならない」と解釈したのであろうが、私には「父又は良人が家長である場合に姿を消されると困る」という意味にしか解釈できない。

 とは言え男性である私は『女の浄土』を読んだことが無く、一応目を通して見た。宇治の輪読会で『生命の実相』「女性教育篇」を読んだ時も抱いた感想だが、女性向けと言いながら男性にとっても勉強になる本である。「医原病」の話など今の時代にも通用するし、家と憲法の関係についても性別は関係ない話題であろう。

 また126頁の「神仏には奉納金の多寡は問題にならない」の一節は、家庭連合(旧統一教会)のようなカルト宗教による高額献金が問題になっている今、端的にカルトに騙されないように導く言葉であると思った。

 それはともかく話を戻すと、320頁の当該の文章が含まれる一節は、いわゆる中心帰一の真理を説いている部分であって、部分引用が危険な部分である。取り敢えず一言指摘すると、この章はむしろ今の日本会議にとっては不都合な部分であると思われるが、まぁ、この意味が理解できる方は日本会議には最初から所属しないのであろう。

 

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 そもそも、谷口雅春先生自身が女性が家長の家に育ったのだから、家長は男性でないといけないという意味で文章を書くはずがない。

 谷口雅春先生の家の戸主が谷口きぬ様であったことはよく知られていると思う。本にもたびたび書かれているし、温故資料館の掲示にも書いてあるから、団体参拝練成会に参加する度に皆読んでいるはずである。

snitennoukokunippon.hatenadiary.com

 無論、一般論として家長に男性が就任するケースの方が多いし、それはやはり男女の間でトレンドとしての違いがあることにもよるだろう。

 とは言え、信徒仲間の女性にも生まれた時から曾祖母より跡取りに指名されている方がいる。無論、他の曾孫には男子もいた状態で、である。

 そのあたりは、やはり人間は一人ひとりそれぞれ異なった使命を背負って生まれてくるのであるから、トレンド通りという事にはならないのであろう。

 ただ、根本的な疑問として「皇室の家長」とは果たして存在するのか、という思いもある。律令を読むと皇室は親王一人で一家を構成しているし、今の法律でも皇室に家はない。

 こういうと「宮家があるじゃないか」と言う方がいるが、宮家とは行政用語であって法令には登場しない言葉である。だいたい宮家も皇室には複数あるから、その時点で「皇室の家長」という用語はやや不適切だ。

 それでも皇室の長が陛下であることは事実であると言えるかもしれないが、それでも慎重にならなければならない。

 例えば、女性は男性の右側に立つのが日本古来の考え方であるが、何故か谷口雅春先生は皇后陛下天皇陛下の左側に立つことを肯定しておられた。天皇陛下皇后陛下の右側に立っているのではなく御中に立っておられ、臣民の中で最高位である皇后陛下がその左側に立つのは当然であるという。

 だから皇室のことを論ずる際には臣民の家の話をそのまま持ち込めないと思う。